代表的な症状 | 札幌豊平区の内科・循環器科・腎臓内科なら|医療法人社団はせがわ内科クリニック

TYPICAL SYMPTOMS代表的な症状

タンパク尿、血尿、むくみ(浮腫)、高血圧、尿量の変化などがありますが、初期段階では自覚症状がほとんどないのが特徴であり、健康診断などで異常値が出て分かる場合が多いです。

慢性腎臓病(CKD)が進行して腎機能が低下し、尿量が減少し、クレアチニン値が上昇した状態を「腎不全」と呼びます。一般的に慢性腎臓病(CKD)は非可逆性の腎機能障害です。CKDが進行してクレアチニンが上昇し、CKDステージがG5まで進行したものを「末期腎不全」と呼びます。

末期腎不全に陥ると、体内の老廃物を尿中に排泄することが困難になります。その結果、血液中に有害な物質が多くなったり、逆に体内に必要な成分が尿中に排泄されたりします。

腎不全が進むと血液中に老廃物がどんどん溜まっていき、体内の水分や電解質、血圧の調整、造血ホルモンの産生もできなくなり、顔や手足がむくんだり、血圧が高くなったり、貧血を引き起こしたりします。それを「尿毒症」と言います。

尿毒症がさらに進むと、だるさ、吐き気、食欲不振、頭痛、呼吸困難、出血など様々な症状が現れます。

TYPICAL SYMPTOMS

慢性腎臓病(CKD)の代表的な症状

1高血圧

腎臓は体内の水分量や塩分量の調整を担う重要な臓器です。しかし、腎機能が低下すると、これらをうまく排泄できなくなり、血管内に過剰な水分が溜まります。
この状態が高血圧を引き起こします。長期間の高血圧は心臓や血管に負担をかけるため、早期の対策が重要です。

2腎性貧血

腎臓は「エリスロポエチン」という造血ホルモンを作り出しますが、腎機能が低下すると
このホルモンの分泌量が減少します。その結果、赤血球の生成が減り、貧血が起こります。
貧血は息切れ、疲労感、めまいなどの症状を引き起こし、日常生活にも影響を与える場合
があります。

3高カリウム血症

腎機能が低下して体内に入った塩(ナトリウム)やカリウムの排泄が不十分になる結果、
塩分は水分と一緒になって体液過剰になり、カリウム濃度が上がる高カリウム血症となります。
重症化すると、不整脈や筋力低下などの深刻な症状を引き起こすことがあるため、慎重な
管理が必要です。

4高リン血症

腎臓がリンを効率的に排泄できなくなることで、血液中のリン濃度が上昇します。
高リン血症は骨をもろくするほか、血管にカルシウムが沈着することを促進し、動脈硬化の原因となることもあります。
この状態を防ぐためには、食事療法や薬物療法が用いられます。

5二次性副甲状腺機能亢進症

腎機能が低下すると、血液中のリンの上昇やカルシウムの低下が起こり、副甲状腺ホルモンの分泌が過剰になります。これにより、骨がカルシウムを放出しやすくなり、骨密度が減少して脆くなるリスクが高まります。
この状態の治療には、食事療法や適切な薬物療法が重要です。

6代謝性アシドーシス

腎機能が低下して尿中に水素イオンを排出できなくなると、血液は酸性になります。
この状態を「アシドーシス」と呼びます。アシドーシスの状態になると、細胞はバランスを取るために水素イオンを細胞内に取り込み、代わりにカリウムを細胞外に放出します。このことが結果的に高カリウム血症をきたすことになります。
アシドーシスが進行すると、筋肉の痙攣や倦怠感、さらには心臓や呼吸器に負担をかけることがあります。

7慢性糸球体腎炎

腎臓は老廃物の処理、ミネラル・酸塩基のバランス・造血ホルモンの産生を主に行っています。老廃物の処理を尿として排泄していますが、その尿中に蛋白質や赤血球が漏れてしまうのが糸球体腎炎で、数年の単位で進行するものまたは急に増悪するものが慢性糸球体腎炎です。
慢性糸球体腎炎には進行するとネフローゼ症候群がメインになるもの、あるいは慢性腎不全がメインになるものなど様々です。

8ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群は、主に慢性糸球体腎炎によって引き起こされる疾患です。
尿中蛋白排泄量が3.5g/日以上の高度尿蛋白で、血中の総蛋白濃度が6.0g/dl以下または、血中のアルブミン濃度が3.0g/dl以下の低蛋白血症の時はネフローゼ症候群と診断されます。低蛋白血症があると、本来血管内に蛋白質と結びついて血流にのっている水分が血管内に留まれず、血管外に漏出します。その結果、顔や手足の浮腫、胸水の蓄積による呼吸困難、全身の疲労感などが現れます。
治療としては、利尿剤を用いての浮腫の軽減を目指しますが、入院安静や場合によっては透析を必要とする場合もあります。

9慢性腎不全

慢性糸球体腎炎には、ネフローゼ症候群へ進展するものと、尿量が減って酸塩基のバランスや造血ホルモンの減少により、貧血を示すようになるものがあります。
後者の場合、尿量が減少し、検査項目の血清クレアチニンという項目が高値を示す時、腎不全と診断し、数ヶ月や数年に渡りクレアチニン値が高値を示すときに慢性腎不全と呼んでいます。
現在、残念ながら慢性腎不全の治療に特効薬はありませんので、まずは蛋白制限食・塩分制限食が基本となり、降圧剤を中心とした血圧を下げる治療などを行っていきます。
透析が必要になるのは血清クレアチニン値は8.0以上を1つの目安として採血検査で経過観察を行っていきます。

臓器ごとの症状

脳に関わる症状

  • 頭痛
  • 不眠
  • 痙攣
  • 意識障害

目に関わる症状

  • 眼底出血
  • 視力障害

顔に関わる症状

  • むくみ
  • 貧血様
  • 黄土色

口腔内に関わる症状

  • 味覚異常
  • 歯肉(歯茎)出血
  • 金属のような味がする
  • 尿臭

肺に関わる症状

  • 息苦しさ
  • 肺水腫
  • 胸水

心臓に関わる症状と疾患

  • 動悸
  • 高血圧
  • 心不全
  • 心肥大
  • 心膜炎

腎臓に関わる症状

  • 尿量減少

血液に関わる所見

  • 尿素窒素の上昇
  • クレアチニン・カリウム・リンの上昇
  • 貧血
  • 酸性化

皮膚に関わる症状

  • むくみ
  • かゆみ
  • 皮下出血
  • 色素沈着

胃腸に関わる症状

  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 潰瘍

骨に関わる所見

  • 低カルシウム血症
  • 高リン血症
  • 骨病変

末梢神経に関わる症状

  • 感覚異常
  • イライラ感